23.トライアル競技の不正行為・減点改ざん

22.デザイン性の良いトライアル用のレインウェアを望む
2017.10.29記
 オートバイ競技用のウェアは総じてカラフルなものが多いです。 今はワンピースタイプは見かけなくなりましたが、私としてはトライアル用ウェアは体にぴったりフィットするタイツの方が好みです。

 ところで、そんなにカラフルでデザインの良いウェアがあるのに、雨の日に着用するトライアル用のレインウェア(合羽)が無いのです。 夏場なら雨に濡れても寒くないので雨具の必要が無い時もありますが、寒い時期の雨にはやはり必要です。
 全日本のスター的存在であるトップクラスの選手でさえ、雨をしのぐため有りあわせ?の雨具を着用しているかのように見受けられるのですが、ここは是非素敵なレインウェアが欲しいところです。
 ウェアメーカーさんが必要性を感じてデザイン性の良いレインウェアを販売してくれるのを期待したいです。






21.根本的見直しが必要な大会運営
2017.10.29記
 オートバイトライアル競技において、参加台数が多い大会ではセクショントライ待ちの行列・渋滞が発生しがちになります。 渋滞が発生してセクショントライするまで長く待たされるとモチベーション・ペースが乱れてしまったり、またゴールまでの持ち時間にも影響する為止む無くセクションエスケープして先に進む場合もあります。 このようなことがあると、実力を発揮出来ず不本意な成績に終わってしまうかもしれません。 また参加台数の増加は競技時間を拡大するなど大会運営に支障もきたしかねません。

 例えば、2017年全日本トライアル選手権第6戦中部大会では、全クラスのエントリー合計が140名程ありました。 競技運びは各クラスとも10セクション×2ラップで持ち時間5時間です。 全日本トライアル大会のスタートは通常1分毎に1名スタートのところ、この大会ではセクション待ちの渋滞を避けるため、IBクラスは同時2名スタートで第1セクションからトライのグループと第5セクションからトライのグループに分けるなど工夫が試みられました。
 それでもセクション待ちの渋滞が発生し、オンタイム内にゴールしようとセクションをエスケープするライダーの姿も見受けられました。
 
 このようなことからトライアル大会は、現状の競技運営方法だと140〜150名のエントリー数が限度のようです。 しかしエントリー数が少ないのは寂しいですが、エントリー数がもっともっと増えても対処出来るように大会運営について見直しを検討されてはどうかと思います。
 具体的に言えば、予選と本番制にするのです。 もちろん大会は日曜日のみですが、まず予選を行いその中から上位者で本番を行うのです。 予選は1ラップとし、エントリー数の多いクラスは数グループに分け、スタートセクションを別にするのです。 また決勝だってラップ数は1ラップで良いと思います、必ずしも2ラップする必要は無いのですから。
 これから先どの位トライアル人気が高まり競技人口が増える事があるのか不明ですが、それでも時間短縮を含め今よりもスムーズな運営方法を検討していくべきだと思います。 それは大会運営のオブザーバーなど役員皆さんの負担軽減にも繋がりますから。

20.国内にも新興メーカーを望む
2012.04.17記
 日本国内におけるオートバイ競技のトライアル人口はロードレースやモトクロスに比べて少ない(=市場性が小さい)ことから、マシン販売台数も多くはないと思います。
 今から40年ほど前のトライアル創生期には国産4メーカーがこぞってトライアルマシンを発表したものの、まもなくブームが去るとカワサキとスズキが撤退してしまいました。
 ヤマハもトライアルへの開発を止めたかに思いましたが、長い沈黙を経た後に発表されたヤマハTY-Rは革新的マシンとして当時世界をリードしたものです。

 そのヤマハも現在はトライアルマシンを販売しておらず寂しい限りです。 しかし全日本の現場では今でもトップライダーに対してサポートを行っていて国際A級スーパークラスの黒山健一選手・他が、「ヤマハ」文字・マークの入ったマシンを駆り活躍する姿を観ることが出来ます。
 トップライダーが操るマシンは羨望であり誰しも手にしてみたいものです。 それなのに選手にのみ用意するだけで市販の用意が無いというのはなんとも勿体無い話しです。

 海外のトライアルマシン勢力図をみると、入手出来る主なマシンとしてベータ(BETA)・ガスガス(GASGAS)・シェルコ(SHERCO)・モンテッサ(MONTESA)・スコルパ(SCORPA)などがあります。
 そこに最近では2009年にチスパ(Xispa)が2011年にはオッサ(OSSA)が出現し、そして今年かつての世界チャンピオンジョルディ・タレスがホタガス(JOTAGAS)を興して(おこして)きました。
 新たな会社を興すにはかなりの金額が必要なはずでが、それでも身軽に行動を起こして来ることは話題として嬉しい限りで市場にも活気が出ます。

 トライアル市場の活性化はライダーが増えてからメーカーが乗り出すのでは無く、新たなマシンを提供するなどメーカーが主体となっててこ入れするのも良いはずです。 メーカーが動かないなら志あるショップでも・・・是非とも国内から新興メーカーのマシンを是非とも望むものです。

19.上位クラスとのレベル差に悩む
 私は2008年を国際A級(IAクラス)として走りました。 それは前年の全日本において国際B級(IBクラス)年間成績でランキング8位以内に入り昇格したからです。 全日本選手権ではIBクラスは入門・底辺拡大用?としてセクションレベルは易しめに設定されています。 それに比べ上位のIAクラスは全日本トップを競い合う為に難易度はかなり高められます。 そんな訳で両クラスのセクションレベルには雲泥の差があります。 ですからIBクラスから昇格したからといって、IAクラスで満足に走れるとは限りません(実に私がそうでした)。

 若い時ならともかくこの年齢(2009年で55歳)では、いかに永く楽しむかが目標となってきました。 ですからセクションで危険を感じ無理してIAクラスで走るよりも、自分のレベルで安心して走れるIBクラスを望みます。 そんな訳でMFJに特別降格申請(本人が所属するクラスにおいて一年間入賞無しの場合は、申請で降格することが出来る)を提出し、今年は再びIBクラスとして走ることが出来ました。

 散々だった前年、はたして今年は満足に走れるだろうかとの不安…全日本初戦の真壁大会では運よく入賞して、東北戦でもなんとか好位置につけることが出来て。 常に都合の付く大会はなるべく出場するようにしていますが、今シーズン後半になった時点で全日本ランキングが気になりだしました。 まかり間違うと?再び昇格してしまうのではと思ったのです。 それで不本意ながら大会を欠場しました、結果的に全日本は最終ランキングによりIA昇格せずに済んで安堵しましたが。 東北戦はランキングトップになりましたがIA昇格は申請方式のため、無理せず現状維持を選びましたので来年はまたIBとして走ることが出来きます。

 今までは大会をフルに出場していかにポイントを獲得するかが目標でした、何せ年に1〜2回しかぎりぎりで入賞出来なかったのですから。 それが上位クラスに昇格しそうだからとポイント調整のため大会欠場したりするのは何ともつまらなく空しい限りです。 自分のことしか考えていませんでしたが、考えればこのように感じる人はどのクラスにもいるはずです。 自らのクラスで意欲的な人もいればネガティブな人もいるし、満足に走れず嫌になれば大会から遠ざかることにも。 今の自分の地位(クラス)なら安心して走れるけれども上のクラスでは歯が立たないといった、そんなクラス間のレベル差に悩むのは私だけでは無いと思いますが…。
 

18.進化に対する規制は必要か
 オートバイトライアルは格段に進化してトップライダーのテクニックを持ってすれば、昔なら想像も出来ないところを行けてしまいます。 上がれるステア(岩)の高さは数段高くなり、岩の間を飛び移ったりまたどんな場面でもバランスを崩さず足を着かないなど。

 足を着かずクリーン連続では差がつかず競技にならないことから、先鋭化するテクニックに対応する為セクションは過激になり、より高くそしてより危険にならざるを得ないのが現状です。 セクションが高度化して危険性が増していくと事故が起きる確率が増します。

 過去にスタジアムトライアルでは、黒山健一選手が4〜5mものタワーセクションから転落して両手首骨折、またトニーボウ選手は飛び降りで顔面強打(あわや首骨折かと思うほど)が起きています。 アウトドアでも危険度は同様にあります。 このままではもっと大怪我が発生するかもしれないし、セクション設定に何らかの規制が必要なのではと思ってしまいます。

 以前に“タイヤ幅を細くしてはどうか”の記事を読んだ覚えがあります(細いタイヤはグリップが弱く走破性が低下する)。 考えればマシンの排気量を小さくする案もあるでしょう、パワーが少なければ今より難度(高低差)の低いセクションで済むはずです。

 しかしあれこれ考えてみると進化を規制するのは良いことなのか疑問も沸きます。 オートバイトライアルのテクニック進化を止めて良いのかと、どんなスポーツでも可能性を求め進化していくのが夢…。 どんなに足かせ嵌めて規制しても進歩は止まらず、細いタイヤ・小排気量マシンでも極限の走りをするでしょう。 だからいつも危険性はつきもの、ならばフルスペックで戦うところを見たい気もするし規制をすべきか否か難しいところです。

17.成田 匠の世界挑戦をふり返って
 成田 匠選手はそのたぐい稀な素質と努力でもって、ご存知のようにオートバイトライアル世界選手権で何年にも渡ってトップ争いを戦い続けた方です。 成田 匠が少年で関東選手権にデビューした時はとにかく注目の的でした、抜群のテクニックを持ち伸び伸びと走る姿には大いなる期待(早期の全日本IAクラス優勝のみならず世界への挑戦を含めて)をいだかせたものです。

 当時はMFJ(財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)の規則?により、国際A級昇格後は一年間全日本に出場してからでないと世界選手権に出て行けない条件があったように覚えています。 世界へ挑戦するには早くから日本を飛び出すべきと思いつつも規則に従わざるを得ない時代でした。

成田 匠選手は周囲の大きな期待のもと1990年から世界へ飛び出して行きました。 彼の世界挑戦は自分の意思もあったでしょうが、周囲の大きな期待に後押しされての必然性もあったと思います。 この時思ったのは有望な選手が世界へ挑戦するのに、支える体制が十分では無かったということです。 つまりメーカーサポート(ワークス体制)も無く、プライベーターで戦わざるを得なかった。

 私が思うに、プライベート参戦の場合は金銭的に苦しい・マシンのチューニングやメンテナンスをして貰えない・チーム体制が無くてレース運びが不利などの問題があると思います。 マシンの練習・競技に集中する云々の前に生活面・マシン整備他など全てに気を配る必要があり、大変苦労したのではないでしょうか。 世界戦のトップを戦うにはそれなりのチーム体制が無いと無理なのに、孤軍奮闘で戦い続けしかも高い成績を残した彼の偉大さを改めて感じた次第です。
※写真はトライアル専門誌トライアルジャーナルから。

16.タイヤ半回転のフル加速
  トライアルテクニックが進化するほどにセクションは、より短い助走でより高くかけ上がる傾向になってきています。 写真は1985年のRIDING SPORTS誌掲載のもので、この副標題“タイヤ半回転のフル加速”とは、元全日本チャンピオンである伊藤敦志が述べた言葉です。

 1982年に世界チャンピオンのエディ・ルジャーン来日で世界のレベルを見せつけられました。 その後ほどなくして世界トップランカーを招待しスタジアムトライアル大会が開催されるようになりました。 何度も開催される中で人工セクションに慣れたはずの日本ライダーですが、毎回かなりの差を付けられていました。

 「もう少しで上がれた」と見た目そんなに差は無いように思われても、テクニックの差は歴然だったと言っています。 なにげなく見える裏にある技を鋭く観察した眼があったからこそ、伊藤氏は3度も全日本チャンピオンになれたのだと思いますが。 

 助走無しの状態から岩・ステアケースを上がるとか急斜面を登るような時など、鋭い加速を必要とする場面は多々あります。 しかしグリップの良い乾いた地面では問題ないでしょうが、ヌルヌルの泥では加速もままなりません。 ですから急発進させたくとも、どんな路面でも無神経にアクセル全開・クラッチ瞬間ミートではいけません。 リヤタイヤを空転させること無く、いかにグリップを得ながら短い距離でフル加速させるかが重要です。 またこの加速の為にはアクセルを開けるだけでなく、当然身体の動作=“素早い動作”も重要です。

 私の場合俊敏な動作は出来ないし助走無しの岩にこわばり、急加速の登りでは身体がついていかなかったり、また滑る路面ではリヤタイヤがスリップして発進しないなどと良いところがありません。 トップライダー達のテクニックはいかに凄いことかを改めて感じさせられます。 

15.山火事の心配はあるか
 トライアル車で山の中を走る時ふと気になることがあります、それは考えすぎかもしれませんが山火事に対する心配です。 オートバイの燃料はガソリンで、ご存知のようにガソリンはとても発火しやすい危険物。 ガソリンのすぐ傍で火花でも出そうものなら即引火するほど。 現行トライアル車のほとんどはキャブレター方式なので、走行中は常にオーバーフローぎみでガソリンがポタポタこぼれ、また転倒した際も当然こぼれます。

 そんな時に何らかの要因で発火しないかと気になるのです←考えすぎかもしれませんけど。 要因として考えられるのは転倒で岩とガチンコとなって火花が出る?とか、赤熱したエキパイ(エキゾーストパイプ=排気管)が接して発火するとか。 とくに後者の方が可能性としてはあるんじゃないかと思っていました。 草が乾燥して乾いているいる時や、秋〜春先の落ち葉が深い所などは燃えやすい状態にあるはずだと。

 そこで思いいたって試してみました…ガソリンがエキパイに触れたら燃え出すのか、強いては何か山火事に繋がる可能性があるかを。 エキパイがより高熱になるようヒルクライム=斜面をアクセルを全開で駆け上がる事を数度繰り返した後、ガソリンに浸した紙をエキパイに触れさせてみました。 すると意外やイガイ!燃えること無く濡れた紙が乾くがごとく「ジュ〜ッ」となり、乾いてから焦げ痕が少々付くくらいで終わりました…う〜む不思議です。

 ところで自動車燃料にはガソリンと軽油がありまして、エンジン動力(燃焼方式)としてガソリン車は点火プラグによる強制引火、軽油車は吸気圧縮による自然着火をとっています。 両者にはどんな違いがあるのかといいますと…。 自動車工学誌か何かで読んだ事ありますが、両燃料は引火点と着火点の違いにあると覚えています。 つまり引火点とは火を近づけると燃え始める温度のことで、着火点とは自然発火して燃え始める温度のことです。 引火点は軽油が50〜70℃に対してガソリンが−40℃以下、着火点は軽油が250℃でガソリンは300℃らしいです。

 具体的にいうとガソリンは火で熱した鉄板の上に垂らしても、ジュワ〜ッと蒸発してしまい燃え出すことはなかなかありません。 ところが寒い時でも火をかざすとあっというまに引火してボワッと燃え出すのです(これに対して軽油は火を近づけてもなかなか燃え出すことはありませんが、高温になると自然発火しやすい性質があるのです。

 上記のテストの際、軽油(実際は灯油でしたが)も持参して試しました。 すると熱くなったエキパイへ灯油に浸した紙を押し付け際、すぐに紙が焦げはじめ煙が出ました。 冬場のせいかボッと燃え出すまではいきませんでしたが、ガソリンの時よりも“今にも燃え出しそう”な気配になりました。

 結論として、ガソリン車では私が心配するような“草木に引火して山火事になるような状況はまず無いと思って良いようでした。 むしろタバコ等の火を心配すべきでしょうか。

14.トライアル車は高すぎる
















 何かスポーツに興味を持ってまずかじってみようと思った時、始めるのにいくら位の金額がかかるのか。 オートバイ競技はマシンを必要とする分お金がかかります。、トライアルの場合ウェア類(ヘルメットやブーツを含む)には5〜10万円あれば大丈夫、だがいかんせんマシンが高い。 今日びの新車価格は軒並み100万円近いから、したがって中古車でも相当な値段になってしまう。

 好きでやる人はもう少し高くてもお金をかけるだろうし、価格が100万円を超えても買うと思う。 でも高すぎるからといって、マシンを安くすればトライアル人口が増えるかというとそうは限らない。 そういった事をあれこれ勘案してもやはり現状トライアルマシンは高い! 真似事をして遊び飽きたら普通に乗れる安い入門用マシンが無い。

 私がトライアルを本格的に(1984〜)始めた頃の価格を見ると、レース用マシンでヤマハTY250R(写真上左)53万円・ホンダRTL250S(写真上中)58,9万円・ベータTR32(写真上右)59万円等。 当時の金銭感覚で高いと思っていたはずだけど今ほどではなかったと思う。

 なお、当時はナンバー取得OKの国産マシンも販売されていてホンダTLR200(写真下左)28,9万円=他に125ccも有り・ホンダTLM200R(写真下中)32,9万円=後に220ccにアップされる・ヤマハTY250スコティッシュ(写真下右)39,8万円・その他TLM50とかTLR250Rとかもあったし、今考えると結構種類豊富で多くの方が色んな使い方で楽しんでいたと思います。

 国産のナンバー取得OKマシンは以後段々販売されなくなっていったので、レース用マシン(外国製はナンバー取得OKだがレース用と思って良い)で比較するしかないのですが、新型車が発表される度価格が上がって来ました。 そして現在2009年型マシンの価格はというとホンダRTL260F=92,9万円・ベータEVO250=84万円・ガスガスTXTPRO250=83,1万円・シェルコ3.24st=102,4万円等となっています。 なお今年から発売開始されるチスパ250ccは60万円台とのことですが、販売網のサポート体制が整っていない状況で保証無しという条件らしい。

 遊びで始めるのに相当な出費を強いられるオートバイトライアルは、どうしても敷居が高いと感じてしまうのです。
※上記2009年マシンの金額は全て消費税抜き価格で記しました。

13.採点の心情
 トライアルジャーナル誌創刊号を振り返って読んでいたら、判定をめぐるトラブルが見受けられる事について意見を求められた当時国際A級の加藤文博が「野球で今日一本もホームランが出てないからといって、ファールラインを50センチずらすことはしない。 それはもう、スポーツ・競技ではなくなってしまう。 でもトライアルにはそんな場面があった。 むずかしいセクションでは、バックしようが、スタックしようが、OUTまでくるとおまけの3点ということが全日本でもよくあった。 それはよくない…」と述べていました。

 加藤文博氏の意見に同感で、よくやったと褒めたいのは分かりますが正しい成績では無いのでマズイです。 ルール・採点の厳正化からすれば、この“おまけの3点”も良くないのですが、この場合採点を受けたライダーは喜んで特にトラブルにはなりません。 トラブルとなるのは“足を付いた/付いてない”とか“バックした/しない”、また“停止(5点)した/前進してた=停止イコール5点ルールの時のこと”等でライダーがオブザーバーに抗議して揉めることです。

 ここで述べるのはオブザーバーの心情・心理面についてです。 IBの私が全日本で昔感じたのはIAライダーに対しては採点がゆるくなりがちって事でした。 1Lap 目はスタックした時点で失敗=5点を取られたのにIAクラスが通過したのち2Lap目に入ると同じスタックしても3点で通過OKだったとか。 IAクラスともなるとテクニックに加えしたたかさ(失礼、勝負にかける執念というべきでしょう)もありますから、オブザーバーはよほど採点パターンの練習でもしないと瞬時の判断がつきません。

 トライアル仲間が大会時にオブザーバーを担う訳で、憧れの全日本ライダーを前にしたら微妙なところで判断が揺れる事もあるのではとも思いますが。 どうせならトライアルに無関係の方に審判専門員となって貰い採点していただくとか…やはり現実的ではありません。 人間が判断するその心情面も考えると難しい問題です。

12.昔の常識“アイドリングゼロ”
 アイドリング=アクセルを開けない時のエンジン回転を言います。 1983年(昭和58年)?に発表されたヤマハTY250R、その開発ライダー木村治男氏が雑誌で語る乗りこなしテクニックに“アイドリングなしの走行法”がありました。 曰く「超低速走行における回転をスロットルでコントロール出来る」、「4ストマシンに対して弱いエンジンブレーキも、エンジン爆発を消す事で最小限必要なエンジンブレーキを確保出来る」等とあります。

 それまでどれほどの人がこのアイドリングゼロを実行していたかは分かりません、しかし後の雑誌で“外人ライダーは高いアイドリングで乗っている!”と驚いた旨の記事も見かけましたから結構浸透していたのかもしれません。 確かにゆっくりスルスルと低速でターンする姿を見た覚えもあるような気もします、しかし私はTY250Rを購入してもアイドリングゼロにはしませんでした、何故なら不要なエンストを避けたかったからです。 何せパスッと止まりやすい4ストマシン(ホンダTLR200)に乗っていましたから。 昔のおとなしい?ライディングを想像する懐かしい乗り方でしょうが、もちろん今はこんなことは見受けられません。 

11.全日本運営を自助努力で
 かなり以前から全日本選手権大会は外部(MFJ組織以外)の援助を受けて開催されているはずです、資金の援助を受けなければ運営出来ないほど財政が厳しいというか、それだけ大会運営にはお金がかかる訳でして。 10年以上昔ですが、全日本大会を開催するのには数百万円かかると聞いたことがあります。

 それこそ昔の話しですが栗子スキー場で全日本が行われていた頃に、毎週何人もして通い山の中にセクション作りの手伝いをしました。 このような大会前の準備作業と当日のオブザーバーなど役員人数を考えると、トータルでのべ数十人〜百人以上となります。 これらに対して日当をまともに払うとなれば、例として百人×日当一万円とすれば100万円がかかります。 これに交通費なり大会前日の役員宿泊費などを加味すればかなりの額となり…とにかく全日本の大会運営にはお金がかかることになります。

 全日本以外の大会では自助努力をして赤字にならないよう収支のやりくりしていると思います、エントリー人数が少ない場合は役員日当を削るなどもして。 援助に頼ればいくらでも費用はかけられるし、自前でやろうとすればなんとしても収支を合わせるように持っていくしかないのです。

 今の全日本を開催するには多くのオブザーバー人数を必要とします…運営費負担の要因がオブザーバー人数とは限りませんが。 現在は一つのセクションに対して通常3人程の配置と思います、役割としてはセクションのIN側とOUT側そしてタイム測定係でしょうか。 オートバイスポーツとして世間的に確立しつつも、そんなにメジャーでは無いトライアルが永続的に自己運営していけるようにと願って。

10.バイパス道路整備の陰に
 道路の整備が進み年々移動は快適になってきています。 しかしすいすいとスムーズに走るほど町並みの風景が見えなくなり情緒が失われて味気なく感じます。 その一例として…以前秋田県の藤里町(藤波貴久がA級初優勝した時の全日本がここの開催)にある素波里湖で、真夏の8月15日にスタジアムトライアル大会が開催されていました。 お盆時期の開催努力に頭が下がりますが15年程続いていたようです、私が参加したのは7〜8年目頃からの5年間だったと思いますが。 ちなみにこの大会には旧姓萩原 亜弥さんや伊藤 敦志さんが招待されて華を添えた回もありました。

 会場へは自宅から400数十kmあるので14日のお昼頃に出発して一般道を走っていきます、ルートとしては13号を米沢〜山形〜新庄〜大仙、そこから105号に入り田沢湖の西側を北上してマタギの里で有名な阿仁町を通って二ツ井町〜素波里湖へと行くのです。 何故かこの田沢湖近くから二ツ井町までの山深い通り道に心惹かれていました…勿論いまでも。 昔はバイパス道路が無いから街中を通らざるを得なくて、駅前風景や商店街・またそれなりの人混み等町の息遣いが見えたものです。 お盆時期に通過する家々には帰省と思いますが車が何台もあったり、盆踊りの賑わいが眺められたり、玄関先で迎え火(送り火)があったりとその土地の生活模様に触れる事が出来ました。
 バイパス道路の整備で時間短縮という快適さは得られるものの、情緒無い景色の中の走行に寂しさを感じるのです。

9.レーシングパーツの保証
 トライアルマシンのパーツを購入すると、「この部品は競技専用に製作されています。販売後の保証扱い等は一切お引き受けできません。」旨が記載されています。 これを額面どおり受け取るなら購入した後では例え欠陥であっても交換して貰えないということになります。 まさかそんな事は無いはずなので製造瑕疵の場合は保証して貰えると思いますが…。

 しかしレーシングマシンのパーツだからといって、何故保証対象にならないのでしょうか? 一般公道走行用のマシンをレースで酷使?するならパーツの金属疲労等もあるだろうから保証を受けられないのは止むを得ないかなと納得しても良いですけど。 最初からレース用パーツとして設計・製造しているなら、本来の目的に使用して壊れたなら保証するのは当然と思います。


8.ルール変更について
 今夏行われた北京オリンピックのソフトボール競技…まずは女子ソフトボール金メダルに祝福!感激です…なお今回この競技で独自ルールが取り入れられたようでした。 試合をテレビで観ていた時、ある回から先頭打者がヒットを打たないにも関わらず既に走者が塁にいることに「いったいどうなってんの?」と最初違和感を持ちました←タイブレークといって延長11回以降は無死2塁(野球は無死1,2塁)から始まるとのこと。 これは競技が延長になった場合の時間短縮を狙ってのようで、試合運びを見ていたら走者を背負った緊張感に面白さも感じました。

 なんとも思い切ったルールだし、良く思いついたものだと感心しました。 普段行われているプロ野球の場合を見ると、夕方18:30頃に始まり試合終了が時には22時過ぎ23時過ぎというのもあります。 そんなに遅くまでかかったのでは、観戦も大変(子供連れなら余計に)だと思うことしばしばです。 「観客の為に試合が短時間で終わるように、野球は9回ではなく6回までとした方が良いのではなかろうか」と妻に言ったら、「そんなこと野球に興味が無いから言えるのよ」と一蹴されてしまいましたが。

 それでオートバイトライアルでも(大胆な?)ルール変更はいかがだろうかと考えてみたのです…ルール変更についてはMFJ組織の当該スポーツ役員会でその都度議論されて規則に反映されてはいますが。 以下私の思いつくままを書いてみます。 

 ルールは競技運営面と競技振興のことから検討されるべきと思います。 競技運営面ではスムーズな運営となること、及び採点方法の明確化・厳守化でしょうか。 また競技振興面ではいかに観客に受け入れて貰えるか、つまりもっとエキサイティングに見えて観客が増えるようになるかだとおもいます。

 私が全日本で重視するのは競技時間で、目的は観戦対策と運営側の負担軽減です。 現在の全日本大会は最初のIBライダースタート8:00に始まり、最終IASライダーゴール15:30過ぎとなります。 一切の競技が終わり表彰式は16:00過ぎ…はたしてお客さんはどれほどの時間を観戦に費やしているでしょうか? 他のスポーツでは例えばトライアスロン大会はもっと早朝の6時頃から夜遅くの22時過ぎまで運営されているのもあると聞きますし、全日本モトクロス大会は排気量毎に分かれ更にそれぞれ各クラスがあるのでこれも長時間にわたっていると思います。

 しかしそのようなスポーツがあるにしても、オートバイトライアル大会はもっと時間を圧縮した方が良いと思います。 ルールは世界選手権とかけ離れてもいけませんが良策はあるはずです、幸い今年の全日本戦終盤で実験?が行われるようです。

 第三者から見れば上記以外でも今のルールに拘らず面白いルールを考えつくかもしれません…採点方式とか、テクニックがどんどん上達していく中でルールが将来どのようになっていくのか興味があります。


7.人それぞれのトライアル情熱

 それ以前はスキーやテニスをかじっては飽きて(と言うよりは進歩せず壁にぶつかって嫌になった)、28歳でトライアルにのめり込んでからは以後飽きる事無く続けています。 途中で自分の子供(当時小学3〜4年生)に教え込もうとして嫌がられた時、子供にかけるのは諦めて自分が生涯テッテー的に楽しもうと考え直した次第です。

 トライアルへかける情熱についてはいろんな形があります。 まずは指導者として…自分が楽しむのはやめて子供の成長にかけること等、大会主催側(オブザーバー等の役員も含め)として関わること、雑誌の編集者として携わっていくことなどです。 自分がトライアルを長年続けていることに自惚れがちですが、それぞれの人達の熱意があってこの世界は成り立っているのだと思い至りました。 大会を主催して頂けるから競技の楽しみがあり、トライアル雑誌があるから色んな情報を得られるし、次世代を担う若手も育ってくるし、そんな中で自分は楽しんでいけるんだと。


6.スポンサー契約は甘くない

 昔オートバイ雑誌(ライディングスポーツ誌?もしくは他誌)でスポンサー契約を得る為の指南みたいな記事を読んだことがあります。 いわく自分の活動計画書を作成持参して訪問すること、きちんとした挨拶が大事、自分のアピールを行い後援を願い出ること等々が書かれていたように思います。
 そして支援を受けることになったら、それが例え小額のパーツ一品であっても誠意(額は僅かでもプロとして自覚行動しなさいと)を持って対応すべし、大会毎/年間の成績・活動をきちんと報告することとあったように覚えています。 

 ウェア・パーツ・金銭面などなんでも良いから、私も契約をいただけたらと何度も願っていました、自分なら契約を貰えたら菓子折りを持ってお礼するのになあ等と。 かかる費用をいくらかでも軽減できるし、また契約の誇らしさを味わいたいと思って。 でもIBクラスで全日本参戦スタートしたのが30歳過ぎだし振るわない成績では話になりません。

 しかし色々考えてみて多少なりともスポンサー契約を受けると、それに対して義務が生じることに思い立ちました。 つまり好き勝手に大会欠場しては駄目であり、良い成績を上げるための更なる努力をしなくてはならないと…それまで遊びで取り組んでいたのが職業になるような感じでしょうか。 好き勝手に遊ぶのに誰もお金は出しませんから、成績なり活動で援助してくれる所へお返しをしなくてはならない。 そう考えるとスポンサー契約をいただいた事は無かったけれど、自分の都合で気楽にやってこれたので良かったのかな。

 現状は特にトライアルブームでは無い訳で、各ショップの運営もそんなに潤っている訳ではないと思います(余計なお世話で申し訳ありません)。 …がしかしそんな中でも、最近活動が活発なトライアルショップが増えて来たように感じます、つまりWISEさん・namitaさん・MWMことメタルワークス宮嶋さん・ホンダウィング荘内さん等々。 それら各ショップさんが有望なライダー達を率いチーム編成して全日本を盛り立てているのは大変喜ばしいことです。

5.年齢との戦い
 トライアルを始めてジュニア(現NAクラス)の頃…つまり20代末ですが、大会で「腕が攣った〜!」などという人を面白おかしく見ていました。 ところが県大会や地方大会は難易度が低いので良かったのですが、全日本に出場するようになったらセクションがハードで自分もひんぱんに腕が攣るようになってしまいました←他人を笑えない。

 40代半ばまでは“腕が攣る”以外は体調面で特に問題も無く元気に乗り回していましたが、50歳の声が聞こえるようになったら身体のあちこちが老化の兆しを見せ始めたのです。 それが端的に現れたのが“テニスひじ”でした。 40代も後半の時の練習でした、連続の岩場で乗っていたので腕にかなり力が入っていたと思いますが、腕が攣ったような痛みを感じたのです。 テニスひじは手を握る力が無くてタオルも絞れない程です。 病院では「筋力低下が原因」とか「老化ですね」等といわれショックを受けました、結局自然回復にまかせるしかなかったのですが、回復までなんと8ヶ月〜10ヶ月かかりました! それまでは身体のあちこち痛いのが何ヶ月も治らないんだよねと言う人の話しを聞き流していたのですが、自分が実感して初めて老化=体力の衰えを実感しました。 

 それからというもの次から次と出てきました、目にきたり(…つまり老眼)、足にきたり(平坦路でもつまづきやすい)、肩とか腕に痛みが出ると何ヶ月も治らない等。 今までは大会直前まで普段どおり練習して大会に臨んでいたのに、これからは大会に標準を合わせ練習で無茶はしないように調整しなくちゃなどと考えるように弱腰の気持ちも出てきました。 戦うべきは年齢のようです。
 

4.名選手の影には親の支えあり
 活躍する若手10代の各界スポーツ選手達がどんどん出てきています。 素晴らしい成績や運動能力、それは天賦の才能と幼少からの努力の賜物でしょう。 しかし生まれつき才能があっても最初から上位レベルの人を負かすようなことはありません。 小さい子供のうちから親がスポーツに触れさせて、生活の一部に溶け込ませていったのだと思います。 脚光を浴びるのは選手ですが、それを支えた親や指導者も称えられるべきです。

 成人後(20代末)に始めたトライアルを今も続けていて、時たま「理解ある奥さんでいいですね」旨言われる事があります。 トライアルには興味を持たず観戦にもついていかない妻にガッカリはしつつもそれ以上の気持ち(感謝など)はありませんでした。 でもそんな中ふと思ったのですが、干渉しないこと・無関心さが私を支えてくれているんだと。
 つまりオートバイ購入費や整備金額、また大会遠征費など欲しいと言えば黙って出してくれるし、単なる金食い虫の趣味を好きなだけやらせて貰えていることに気づきました。 う〜む、長年続けている自分が偉いのでは無く、家族に支えられていたから続けてこれたのか…感謝せねば。 

3.ママさんライダーの壁
  女性への差別的発言では無いのでご了解下さい。 萩原姉妹が出場した当時は驚きました、それまで女性ライダー=か弱いイメージだったのに“男性と同等に走り…いやそれ以上のテクニックと成績”を示したのですから。 妹さんの方はIBで優勝も経験し、年間ランキング2位で国際A級昇格も果たしのは周知のとおりです。 彼女達の岩超え(特に直角の段差)、フロント/リヤのホッピング、アクセルの開けっぷり等々テクニックの正確さは素晴らしいものです。

 それまでは女性にオートバイの重量を操作するのは無理と思っていました、大会での成績を見てもNBクラスの上位に入ることも無かったようですし(各記録を調べた訳ではありませんが)。 

 そうすると姉妹は天性の才能を持っているのか、それとも特別なトレーニングの成果なのかなど考えましたが、やはりこの場合も“スポーツを始める年齢”にあると思うのです←彼女達のトライアルを始めた年齢を聞いてはいませんが。 男女を問わずスポーツを始める年齢が高くなる程、上達限度が下がるように見受けられます(あくまでも私の判断で)、女性は筋力が弱い分特に差が目立つのかと思います。 また主婦であったり仕事を持っていたりで、時間を割くことに苦労もすることでしょう。

2.準備体操の必要性
 普段の練習で見かける光景…マシンの準備(前後タイヤの空気圧チェック・ドライブチェン給油・燃料補給・暖気運転等)を行いながらウェアを着替えて乗り始めます。 ここで準備体操やストレッチを行う方はあまり見かけません←暖かい季節のみならず冬場でも。

 スポーツ/体操全般において入念な準備体操を行い体をほぐす事は必要なはず←体が十分動き怪我予防の為にも。 年配になるほど“身体の暖機”は必要なはずですが、大抵着替えて即乗り出してしまうようです。 エンジン始動して走り出しゆっくりとウォームアップしていけば身体の準備運動になるかもしれませんが、乗る前にきちんと身体を伸ばしておいた方が良いはずです。

 私は腰椎ヘルニアの苦しい経験から腰のストレッチは欠かしません、腰を左右にゆっくり捻り前後への屈伸も行います…これは練習後も行います。 あとは腕が“テニスひじ”になったことがあるので手首のストレッチは毎日お風呂に入りながら行います←このおかげで腕がつるといったことが無くなりました。

1.熟練テクニックは有り得るか
 若者(というか小中校生の少年等)がトライアルを始めるとあっという間に上達して行きます、こっちは何年もやっているのだから負けないゾと思っても年寄りのヒガミ、あっという間に負かされてしまいます。
 工芸や職人と呼ばれるような仕事の世界では年齢を重ねるごとにその技に磨きがかかり、素晴らしい技術を見せるのに。

 スポーツ(特に足腰の筋力・バネを必要とする)に熟練テクニックは通用しないのか…中年でも頑張って人の何倍も努力すればトップライダーになれるか…などと考えてみましたが無理は明白です。
 それは何故か…
・身体的能力=バランス+下半身のバネが劣る=人間は年老いても腕力・筋力はそんなに衰えないと聞きますがバネ力はハッキリと衰えます…たぶんバランス力も。
・練習量=中高年にもなると仕事面や社会的立場等で練習時間がそんなに取れないかと思います、対して若者は指導熱心だと十分な練習時間が取れます。 中高年が何年もずっと練習してきた蓄積があるとしても、若者はそれに負けない量の時間を集中的にこなす訳です。
・習熟度合い=中高年はテクニックの進歩が無い、対して若者は練習の度どんどん吸収して伸びる。

 仕事での職人芸はまず何年もの丁稚奉公(古風に言えば)から始まりますが、対してスポーツでは少年が伸び盛りの時期に最先端の特訓をします、そして練習に充てる時間も十分に。
 若者に負けまいと意地を張っても無駄なのは明白、でもそのガンバル気持ちを大事にしてトライアルを楽しんでいこうと思ったりする次第です。