餅つき
 父が出稼ぎ状態で年中不在の時期があった為、私が子供の頃手伝いにならなくて餅つき機を購入した事があります。 その機械はもち米を入れるすり鉢状の容器があって容器底のスクリュー状のものが外部モーターとベルト駆動する大掛かりのものでした。

 蒸したもち米をすり鉢状の容器に入れてスイッチON…すると容器底のスクリュー状のが回転してもち米が次第に丸く膨れ上がりもちと化すのでした。 その頃は機械で出来るのは面白かったのですが、本物の餅じゃないような気がしていました。

 結婚して自分の子供が育つにつれ餅つきを体験させたいと思い、長男が小学校に入る頃臼と杵を購入しました。 それ以後年3回程(春(よもぎ餅)+年末+他)の餅つきで使用しています。 長男と次男はこね方・搗き方・そして丸め方と一通り触れてくれました、今は娘に丸め方を手伝って貰っていますがそろそろ搗き方もやらせてみようと思っています(2007年現在)。

 年末の餅つきは他所の頼まれ物分も含め4臼程つきます(以前は8臼位の時もありました)、慣れると大丈夫ですが、コツを覚えないうちは手にマメが出来ますね。

1.機械つきと杵つき
 どちらでついた餅でもつきたては同様の味だと思います。 機械つきのは表面がつるつるしているのに対して、杵つきのは搗き方が足りないと表面がザラザラします←「カエルの背中」と母はいいます。

 杵でついた餅はよく伸びると言われますが、つき方かもしれませんが我が家のはそんなに伸びません。 柔らかくてビヨ〜ンと伸びるか弾力性(コシ)があって伸びないかは搗き方によると思います。

 搗く時の“こんどり”…杵でつく時に臼の中の餅を中心に寄せる事を言いますが、餅(米)が熱いのと手に粘らないよう手を水に浸しながらこんどりします。 この時手に水をどれ位含ませるかで餅の柔らかさを調節しています。

2.自然保存すると
搗いた餅は一日経過位なら包丁で切るのも楽ですが二日以上経過だとカチカチになり、数日間供えておいた鏡餅を食べようとする時など石のようにカチカチで大変です。

 そこまで固くなると電子レンジでチン(加熱)しても外側に固いところが残り、柔らかくなるまでお湯に浸しているとドロドロ糊状になってしまいます(機械搗きは餅の中に空気が入る為、お湯で柔らかく戻そうとすると溶けたようになってしまうと言われますが、杵つきであっても固いのは戻す手段によっては同じです)。

3.臼と杵
 大きさは3升用、材質はケヤキ材です。 私の「杵と臼を買いたいなあ」の言葉を耳にしていた母がある時NHKで臼の製作販売を観たと言って、隣県山形に電車で出かけて注文してきたものです。

 臼の大きさがコンパクトで気に入りました←大きいと保管場所からの出し入れが大変ですから。 ただ3升用といっても実際は2.5升程に留めた方が良いです、何故かというと3升の蒸かしたもち米を入れると臼の淵とほぼ平になり、こねる際にあふれそうになるからです。


4.餅つきの手順
 (1)研ぎ水に浸す
 もち米を研ぐのはご飯を炊く時と同じ要領です、ただ水に浸ける時間は白米より長く…我が家では一晩浸けて置きます(10数時間程)。

 (2)蒸す
 蒸す…むす/ふかす、我が家ではふかすと言います。この写真はセイロ2段重ね…何臼も搗く為の効率化です、お湯が沸騰してきたら乗せて約30分程蒸かします。

 蒸かす時間は火力にもよりますが高カロリーバーナーだと20分強でもOKです(通常のガスコンロなら30分程)。 火力といえば…かまどでマキを燃やせば強い火力が得られると思いがちですが、マキは火力のムラがあるので、均一な火力が得られるガスが安心です。

 一臼分を蒸かすのに30分・こねて搗いて丸めるのに12分程度ですから、2段重ねで蒸かすと 15分間隔でつぎからつぎと搗いていける事が出来ます。

 (3)こねる
 これは蒸したもち米を臼に入れたところです。ここからいきなり杵で搗き始めるともち米がはじけ飛んでしまいます、それで“こねる”訳です=杵を使ってすり潰す事。

 初めての人は“つく”よりも“こねる”方が難しいようです、何せ搗くのは杵を振りかざすだけですから。 「こねる程おいしい餅になる」等と聞いた事がありますが、それは関係無いと思います、要は杵でつく時に米粒がはじけ飛ばないようにすり潰すだけで良いのですから。









 (4)搗く
 つくのは2人で、杵でつく方と餅を返す助手で行います。 杵をふりおろす度餅の真ん中にくぼみが出来ますので、中心に寄せながら(こんどりと言う)ついていきます。

 もち米2.5升つきの場合40回程ついたら、一旦餅を裏返してさらに30回程ついて終わりです。つくのにかかる時間は5分程あれば十分です。

 悪天候により戸外で餅つき出来ない時は家の中で行います。そんなにスペースは無いですが台所の中でも搗く事が出来ます…この写真では助手は台所のあがり口で座布団に座ってこんどりをしています。









 (5)丸める
 ちぎった餅を丸めていくのですが、丸めるコツは餅を両手で上下から軽く包み込む感じで手のひらの中で転がすように回転させます(餅がべたつかないように片栗粉をまぶして行います)。

 すると表面のしわが段々と底面の方によって行き、見た目ツルツル表面の丸餅が出来ます。 左写真の下方にあるいびつな形でも丸くなります。










5.オススメ保存方法
 我が家では搗いた餅を丸め粗熱(あら熱=搗きたてのアツアツ状態)が取れた頃=搗いてから30分〜1時間過ぎた頃、冷凍庫へ入れて保存します。 こうすると食べる時に解凍(自然解凍若しくは電子レンジにて)すれば、搗きたて後の柔らかさに戻りおいしく食べることができます。

 自然解凍なら数時間放置また電子レンジなら2分程(餅の大きさなどによりますが)加熱して、だいたい柔らかくなったところでお湯に浸します。 これにより片栗粉は取れるし表面も柔らかくつきたての餅になります。



6.よもぎ餅
 我が家では「草餅」とも言いますが、よもぎ草が出る4月末〜5月に餅つきをします。 ほのかな香りとよもぎの緑色が付いた餅は春の楽しみです。

 (1)よもぎの下ごしらえ
 よもぎは田んぼの土手などでいくらでも手に入る草(写真で中央に見える緑の草)、大きすぎないものを採取します。 これを茹でますが沸騰したところでタンサン(重曹)を加えて茎が柔らかくなるまで煮ます。

 よもぎにはアクが感じられませんがタンサン(重曹)を加えることによって、茹で上がりが柔らかくなるのと色が一層鮮やかになります。

 茹で上がったら水にさらして水気を絞っておきます。










 (2)搗き方
 もち米が蒸け上がる少し前に茹でて置いたよもぎを乗せます(冷たいままでは餅つきに宜しくないかなと思うので)。

 もち米を搗く直前によもぎだけ臼に取り出し杵で潰します(杵でトントンと叩きつぶす感じ)。

 その上に蒸け上がったもち米をあけて搗いていきます、すると出来上がりは写真のようにうっすらと色の付いたよもぎ餅が出来上がります。 使用するよもぎの量はもち米2升に対して、茹でて絞った状態で茶碗大盛り位でしょうか。



7.豆餅
 豆餅には大豆を使用します。 もち米はまる一日水に浸して置きますが、大豆は事前に浸して柔らかくする事はしません。 それは浸してやわらかくすると、搗く時に砕けやすくなるからです。

 それでもち米を蒸かす直前に水洗いしてセイロに敷き並べます。 大豆の分量は特に決めていませんが、この量で2升のもち米と搗きます。




 浸しておいたもち米をざるに上げて水を切り、大豆の上にあけて蒸かします。 固い大豆ももち米が蒸け上げる頃にはほど良い柔らかさになります。








 これは蒸け上がったもち米を臼にあけたところです。 白餅は雑煮やあんこ餅・黄な粉餅にしたりして食べますが、豆餅は通常単独でそのまま食べます。 その為若干の塩味が付いていないと味が無くて食べずらいです(おかず無しでご飯を食べるようなもの)。

 それで、塩味はこの時点で付けます。 塩の分量も明確には量っていませんが片手で一握りを臼にあけたもち米に振りかけます。 塩の味加減は、こねて搗きはじめる直前にもち米を食べて判断します。 味がしない場合は、その時更に塩を振りかけ追加します。





 豆餅を搗くとこんなふうになります。 杵でついてもち米はすり潰れ餅になりますが、大豆は形が潰れずそっくりしています。 豆餅を搗くのは毎年正月開けての1月後半頃です。

 なお、白餅と豆餅を続けて搗く時は白餅を先に搗きます。 豆餅を先に搗いてしまうと、わずかながらも塩分が臼に残り、それが白餅に付いてしまうのです。





8.しんこ餅
 “餅”は当然のごとくもち米を搗いて作ります。 では普通の米(うるち米)から餅は作れないのか?と思いつく方もいることでしょう。 それが手間はかかるけどうるち米でも餅を作ることが出来るのです。 私の母親も、実際に搗いた事は無いけれど若い時に作り方を聞いたことがあると、その方法を教えてくれました。 なお母親はしんこ餅と言っていますが、たがね餅とか別の呼び名もあるようです。 うるち餅でも良いかもしれません。

 作り方はいったん蒸したうるち米を水にさらして、再度蒸してから搗くという方法です。 蒸し上がったうるち米を搗いただけでは餅にならないのか、また何故一旦水にさらすのかといった疑問もありますが、実際に作ってみると分かるものです。 ということでその手順・方法を述べてみます、なお一升のうるち米で作ってみました。



 (1)米を蒸す
 もち米をセイロで蒸すように、うるち米(通常言う米)も蒸します。 水に浸しておく時間ですが、ご飯を炊くなら30分〜1時間位ですが、この場合蒸すのと搗いて潰してしまうため3〜4時間以上にした方が良いらしいです。 今回は一晩水に浸しておきました。

 次に米をザルに上げて水を切り、セイロで30分程蒸します。 実は20分ほどで蒸け上がりますが、ご飯粒が硬くて食べれたものではありません。 粒の芯まで熱は通っているのですが、もち米よりも水分の吸収が悪いのでしょう、寿司飯の何十倍も硬い感じです。 30分経っても軟らかくならずポロポロしています、たぶん一時間蒸してもあまり変わらないでしょう。
 この時点で搗いても餅にならないのは分かるような気がします、いくら搗いてもご飯のつぶつぶが残るはずです。

 (2)蒸した米を水にさらす
 次に蒸したうるち米を冷水に入れてさらします。 水の中に手をいれ揉みほぐしてかき混ぜ、水を2〜3回入替えます。  調べによると、でんぷんのアミロースというのがうるち米のてんぷんに20%含んでいるのに対して、もち米には無いそうです。

 このアミロースは含有率が低いほど粘りが強く、逆に含有率が高いほど、粘りの少ない硬いごはんになるとのこと。
 という訳でもち米にはアミロースを含んでいないから、粘りが強くもちもちとしている訳です。
 アミロースは水にとけやすいので、蒸した状態で水にさらせばアミロースが抜け出るのです。 お湯につける方もいるようですが、上記のことから水で十分抜けると思います。








 (3)再び蒸す
 水にさらしたうるち米をざるに上げます。 蒸すためにしばらく置いて水気を十分切ります。 蒸らす時間は30分にしてみたら、こんどは十分過ぎるほどやわらかなご飯になりました。 したがってもっと短時間でも良いでしょう。


 (4)十分に搗く
 蒸け上がったうるち米を臼にあけ、搗き始めの時に米が飛び散らないようまず杵で押しつぶします。 それでも結構散らばりました。
 こんどりをする娘が「なんか感触が変」と言います。 確かにもち米のように伸びがありません。 すりつぶしたご飯をこねて搗いている感じです。

 普通の餅は2.5升だと、杵で70数回搗いて出来上がります(この間約5分)。 うるち米は時間がかかると聞いたので、米粒のツブツブが無くなりなめらかになるまで搗きまくります。

 もち米だと弾力性があるのでゴム?のようにボムッボムッと手ごたえを感じるのですが、うるち米にはそれがありません。 臼を直接叩いているようで、杵を強く振り下ろせません。
 またもち米のようにふっくらつるつるにならず、搗つくほどシワだらけになっていきます。 もち米の3倍強15分ほどで出来上がりました、180回ほどは搗いたでしょうか。 写真のように杵の後がくぼんでいるしシワシワです。




 (5)食味
 搗いたうるち餅(しんこ餅)をいったんボールに取り、少しずつちぎって丸めるのですが、普通の餅のように弾力性が無いのでちぎるのは楽です。 粘土をいじってるみたいでもあります。 手で丸めてもシワがうまく取れず見た目は良くないです。
 写真で大きめの重ね餅は普通の餅で、小さいほうがしんこ餅です。 しんこ餅はより白く見えます。

 搗きたてをそのまま食べてみたら、すあま(寿甘、素甘)に似た食感で、餅としては落第点かなと思いました。 しかし味をつけて食べると結構いける事がわかりました。

 汁餅でも良し、あんこ餅でも良いし美味しいです。 普通の餅のように汁に入れて煮ると溶け出すことも無いので、調理は楽かもしれません。 他の調理方法・食べ方も調べてみたいと思っています。 普通の餅のように伸びないので食べる時の窒息は心配無いかも、したがってお年寄りの方にお勧めかもしれません。






9.玄米餅を試す
 (1)もち米の玄米用意
 もち米の玄米で餅が搗けるかを試してみました。

 健康の為に良かれと思い玄米を食しているのですが、うるち米だけの玄米ではご飯粒がボソボソして口当たりが良くありません。
 そこでもち米の玄米を半分量混ぜてみたら(実際はここに黒豆も若干混ぜていますが)、炊き上がりのご飯に粘りが出て結構美味しく食べられるようになりました。

 ご飯の玄米食があるなら餅も玄米で搗けないものかと思い立ったので、さっそく試してみることにしました。
 ちなみに玄米には精米と比べて糠(ぬか)と胚芽がある為、食物繊維・ビタミンB1及びB2・カルシウムが多く、消化吸収は良く無くとも健康食のようです。

 写真のバケツに入っているのはもち米で、左側が玄米で右側が精米した方です。 今回の餅つきに玄米を2升(20合=180ccカップ×20個分)用意してみました。
 もち米は蒸かす(ふかす)前に一晩水につけて置くのですが、今回は玄米のため普段(10数時間)より長く浸してみました。 でも長く浸せば更に米がやわらかくなるかというと、玄米の場合はそんなに効果は無いようです。


 (2)蒸かす時間
 普通のもち米を蒸かすようにセイロで30分程蒸してみましたが、もち米を口に含んでみるとボソボソとかなり固くて、これでは餅になりそうにありません。
 それで更に蒸かして、蒸かし始めから50分程経った頃には若干ふっくらしてきた感じなので、見切りをつけて搗いてみることにしました。

 臼に蒸かしたもち米の玄米をあけて見ると、セイロの中心部は蒸け過ぎてべたべたしていますが、周囲は固い米粒のままです。 固いといっても芯が残っているのでは無く、餅を搗くには固いという感じです。
 どうやら玄米は表皮が硬い為セイロで蒸す(むす)のではなく、炊飯器で炊いた方が均一に米粒がやわらかくなるようです。 水の分量次第で炊き上がりのもち米のやわらかさも調節出来ますし。

 もち米の玄米を杵ですり潰そうとしますが、ポロポロと米粒のまま臼から溢れ出ようとして中々うまくいきません。 仕方無いので杵を振り下ろし搗き始めました。 すると搗く度に米粒がはじけ飛んでしまいます。 やむなく静かにだましだまし搗き続けると少粘りが出てきました。




 (3)搗いてみる
 少し粘りが出て米粒がはじけ飛ばなくなったので、力を込めて搗き始めます。 普通2.5升のもち米なら70〜80回程(時間は5分程度)杵で搗くとつややかな餅になりますが、もち米の玄米はいくら搗いてもツブツブが消えません。

 こんどりをする娘に「疲れる〜」と言われながらも、普段の倍ほど搗いて諦めました。

 セイロで蒸かさず炊飯器で炊いて均一にやわらかい米粒にすれば、もう少しなめらかになるかとは思いますが、それでも白餅にような餅肌にはなり得ないようです。









 写真が搗き終わったところです、完全な餅にならず搗くのを諦めました。
 この状態を分かりやすくいうなら、餅では無くてぼた餅… いやぼた餅の出来損ないというか、餅とご飯をこねて混ぜたような感じです。














 (4)結果
 白餅は表面がすべすべして扱いやすいのですが、玄米餅はべたべたと手に粘りつきます。
 玄米餅を丸めようとしたらうまくいきません、まるでご飯をおにぎりでは無く無理して丸めるような感じだし、手にまぶす片栗粉が米粒間にかなり入りこんでしまうのです。

 したがってまるめ餅にするのは諦めて切り餅にしました。 写真の右側にあるのが餅箱です、半日置いてから小さく切って冷凍庫で保存します。 家族に不評なので、仕方なく自分で少しずつ食べていくしかありません。

 作った玄米餅を食べてみました。 何も味付けしないそのままと汁餅にして食べてみましたが、はっきり言ってこの玄米餅は美味しくないです。
 餅とは言えない米粒のザラザラ舌触りとその食感が味覚を失望?させます。
 炊飯ジャーで炊いた柔らかい玄米で搗いた餅なら少しは美味しくなるのか、それとも他の味付けを工夫すれば良いのか等々考えましたが、これ以上余計な事は考えないことが無難なようです。




10.赤飯
 赤飯はもち米を用いることから、我が家の赤飯の作りかたをこの欄で掲載してみます。 なお赤飯は強飯(こわめし)やおこわ等と呼んだりもします。
赤飯はもち米を小豆の煮汁に浸し色付けしてから蒸して作るのですが、炊飯器でご飯のように炊くことも出来ます。  作業時間としてはもち米を煮汁に浸けて置く必要があることから、赤飯を作る前夜に小豆を煮るようにします。


 (1)材料と分量
 材料はもち米と小豆ですが、もち米に対して小豆は15%位とします。 他に赤飯に塩味を付けるため小豆の煮汁に塩を用います。 具体的には、もち米3合(180cc×3)で作る場合、小豆は15%として軽量カップで80ccあればOKです。 塩はもち米1.5合に対しておおさじ1の計算としておおさじ2杯を用意します。
 なお、今回は2升のもち米(小豆は3合=540cc、塩はおおさじ13杯)で赤飯を作りましたので、本文中の写真はその際のを用いています。


 (2)小豆を煮る
 煮る前に小豆をあらかじめ水に浸して置く必要はありません(ふやけて皮が破けないようにするためにも)。 小豆を簡単に洗ってたっぷりの水(=もち米と同じ分量…もち米3合の場合は540cc)に入れます。 これはもち米を浸すためで、水が多すぎると色が薄くなってしまいます。
 最初は強火にしますが、煮立ってきたら弱火でコトコト煮ます…決して強火のまま煮続けてはいけません。 あんこを作る為では無いので固め(皮が破けず口に含んで若干硬い感じでOK)で火を止め、そのまま冷まします。
 小豆の量により煮る時間は若干違うかもしれませんが、大体30分程です。 冷えたら小豆と煮汁を分け、煮汁に用意しておいた塩を混ぜます。
 写真は煮終わって火を止めた後の様子で、まだ固そうな小豆が見えます。 あと写真では煮汁が少ないように見えますが、これは小豆が見えるように煮汁を分けたためです。







 (3)もち米を煮汁に浸す
 もち米をまず水で十分研ぎます、白濁した水が無くなるまで水を取り替えて。 それを一旦ザルにあげ、塩を入れた小豆の煮汁に浸します。
 浸けておくのは3時間あれば十分ですが、この作業が夜に行うならそのまま一晩浸しておきます。 
 写真は一晩浸けておいたものですが、見ると煮汁の色が薄く見え、もち米も色が付いていないように見えます。 でも大丈夫、食紅で色を付けるよりもかえって自然な感じで美味しそうな赤飯になります。












 (4)もち米を蒸す
 あらかじめ蒸し器(セイロ等)のお湯を沸かすように準備しておきます。 もち米をザルに上げ水気を切りますが、煮汁は捨てずに少し取って置きます。 これは蒸してる途中でふりかけるためです。
 お湯が沸騰してから、蒸し器に蒸し布を敷きもち米とその上に小豆を置いて蒸かします。 蒸気が通りやすいように中央は山型よりもへこませた方が良いです。
 蒸かす時間としては餅を搗く場合は30分程ですが、赤飯は途中水を振りかけるので余裕をとって40〜50分と長めにします。
 まず15分たったら一度煮汁(もち米3合の場合で100cc程度)を手で全体に振りかけます。 さらに15分後に再度同じ量の煮汁を全体に振りかけます。 これで赤飯の口当たりが柔らかくなります。
 更に10分ほど蒸かせば(蒸かし始めから40分)出来上がり








ます。
写真は煮汁を振りかける時に蓋を取ったところですが、小豆もふっくらと柔らかく見えます。

 蒸け上がったもち米をボールかおひつに移し、ヘラでまぜあわせます。
 煮汁に塩を混ぜておいたので、出来上がった赤飯はうっすらと塩味がついて美味しく感じます。












味噌つき
 我が家では毎年春先(3月〜4月)に味噌つきを行います。 今はこの近所で味噌を作る家はめっきり少なくなりました。 味に対する慣れだとは思いますが自家製は美味いものです…これを手前味噌というのかな。 味噌はモロキューなんかで(胡瓜に味噌を付けて食べる)食べると味の違いが分かりやすいと思います。 

1.材料と器具
 材料は大豆+米麹+塩の3点です。 普段は大豆2斗(25kg)+米2斗(30kg)で作って貰う麹(出来上がりで30kg)+塩15kgで作ります、これを見ると大豆と米の枡分量が同じで塩の割合は麹2升に対して1kgとなります。

 必要な器具はかまど(鍋)・すり潰し機・桶と櫂です。 これらの器具は大量(2斗程の大豆を煮てすり潰し、麹と混ぜ合わせる)の材料を扱う為です…これらは麹屋さんから貸してもらいます。


2.味噌つきの手順
 (1)材料の手配・準備
 大豆は国産のにこだわって近所農家やお店などから調達します。 塩は天塩で銘柄にこだわってはおりませんで今回は「塩屋崎の本塩」を用意しました。 米麹は自分うちの白米を出して麹にして貰います。 大豆は味噌つき前日に洗って水に浸して置きます。 麹は当日の朝届けてもらうように麹屋さんに依頼します。

 (2)大豆を煮る
 煮るのは量が多いため2時間以上かかります。 煮たあと麹と混ぜ合わせるのに冷めるまで待ちますが、冷めるまで5時間位待ちます。 味噌つきを午前中に終えるように作業しますと以下のようになります。

 0:00〜3:00頃に大豆を煮る→冷ます→8:00大豆をすり潰す→9:00麹をほぐしてから大豆と塩とで混ぜ合わせる(一時間強)→味噌を樽に詰める→各器具を水洗いして片付け(一時間強)すると11:00過ぎには終了します。 写真では3斗用の釜を用い2斗4升の大豆を煮たところです。




 (3)大豆をすり潰す
 機械の名前は分かりませんが味噌つぶし機とでも言うのでしょうか、電動(100V電源)なので作業は楽です。 スイッチを入れて上の口に大豆を入れてやるとすり潰されて手前からニョロニョロと出てきます。 大きくて重いため移動させるのに力が要ります。








 (4)米麹をほぐす
 むろ(室)から取り出した麹は板状の固まりになっています。 写真は麹屋さんが持ってきたのを広げたところ、これを手でほぐします。 味噌つきの作業でこの麹をほぐす作業は力は要りませんが時間がかかります。







 (5)混ぜ合わせる
 写真はすり潰した練り状大豆の上に塩、そして更に麹を広げた所です。 量が少ない時は櫂を使って混ぜ合わせるのですが、今回は量が多く溢れそうなので手で混ぜ合わせました。 この作業は力が要ります。








 (6)寝かせる
 左が今回仕込んだ味噌で、右は2年寝かせた味噌です。 仕込んだばかりの味噌を舐めてみると…ザラザラした食感でただしょっぱいだけの味でゲーッとなります。

 数日後(熱が取れた頃)味噌の上にビニールを敷きその上に重しを乗せて寝かせます。 半年位で食べられるようですが、1年ほど寝かせた方がより熟成されると思います。