0.はじめに
 ビニールハウス(パイプハウス)で野菜を作り、露地栽培よりも早く収穫して食したいと思っていました。 ただ親からは“そんなに便利でもないゾ”と聞かされていまして、たとえばトマトなら夏場アブラムシに悩まされるし、とうもろこしなぞはひょろひょろと背ばかり伸びて実が張らない等と。

 でも実際にやってみなけらば分からないので、パイプハウスを作って貰うことにしました←自分では作り方が分からないし。 刈払い機の修理でお世話になった農機具屋さんに“いくら位で作れるものか”と相談してみました。 そしたら5.4m×9mで29万円程度とのこと…高いと思ったけど値段だけ聞いて終わりでは申し訳ないので、頑丈に作ってくださいとお願いしました。

 作って貰ったパイプハウスは材料一式22,7万円+工賃5万円+消費税=29万円。
ハウスはアーチ型で床面サイズは5,4m×9m。
主な仕様:ハウスパイプΦ25mmを45cm間隔、補強パイプΦ42.7mmは5本。 ドアは1.8m×1.0m両開き。 側面ビニペット3段、くるくる巻き上げ仕様。 POフィルム厚0.15mm等。

 Webで見たらパイプハウスの被覆には長年農業用ビニールフィルム(塩化ビニル=PVC)が使用されてきたが、ポリオレフィン系フィルム=農POフィルムに代わりつつあるとのこと。 理由はPVCに焼却でダイオキシン発生とか、フィルムをしなやかにする可塑剤に環境ホルモンがあるなどの環境問題があるかららしい。
 農ビと比べて農POフィルムの利点は可塑剤を含まないためべと付かない・軽い・強度が高い・低温でも柔軟性が変わらないとあります…農POフィルムを頼んで良かった(でも値段が高い)

 

1.事前準備の畑ならし
 パイプハウスを建てる畑は傾斜地だったので平らに慣らしました、重機等を使わずスコップで慣らしたので2ヶ月程かかりました。 目測でやりましたが、ほぼ平らに出来ました。














2.墨出し
 まずどの辺に建てるか基準点を決めて、そこから床寸法を測り(今回は幅5.4m×奥行き=側面9m)外周に糸を張ります。 そして両側面の糸に添ってパイプを置きます。 後の作業でパイプに触れても位置がずれないように、パイプのところどころ両側から棒を差し込んで仮固定しておきます。

 写真では3本のパイプが並べられていますが、外側の2本が基準となります。












3.側面のパイプ立て
 左写真の機械は地面の穴あけ機です。 パイプは40cm程地中に差し込みますので、ドリルで穴を開けるのは硬い地面の時に有効です。

 45cm間隔にパイプ(径25mm)を差し込んで行きます=9m奥行きに対して21本、内側には補強用パイプ(径42.7mm)を差込みます。 あと地面のパイプがずれないよう仮固定してた棒は抜き去ります。











4.側面パイプのジョイント
 ハウス両側のパイプ先端をジョイントで接続します、高さは3m程でして脚立を使っても出来ますが、作業効率を考えるとこのような作業車両が便利です。














5.パイプの整列
 ハウス両側のパイプをジョイントした後きれいに整列させます。一番手前から奥に向かって重なり具合を眺めるとでこぼこですので、パイプの刺さり具合を調整します。

 右側写真の道具は自作の「パイプ打込工具」とのことでした。 上下式で下側のをパイプに密着させて、上側の重たい器具をスライドさせて打ち込むのでした。

 写真にある赤いコイル状のものは横に這わせてあるパイプの浮き上がり防止用です。










6.骨組みの出来上がり
 ハウス両側面で見てパイプがきちんと整列したところで、側面中段にパイプを設置します。 さらに前面(入り口側)と後ろ面を格子状に取り付けていきます。

 これでハウスの骨組みとしてはほぼ出来上がりですが、張ったビニールをフックで止める為のレールみたいな部材をパイプのアーチ部分に取り付けていきます。

 あとハウス外周の地面に溝を作っておきます、これはビニールのスカート部に土を被せるためです。









7.ビニール張り
 最初は両側の下部=スカート部を張ります(下端は土中に隠してしまいます)、側面両側の立ち上げ部分に張ってあるのは、巻き上げ用フィルムとの隙間から空気が入らないようにです。

 この後は側面の巻上げ部→前面及び後面→屋根アーチ部の順にフィルムを張って行きます。











8.完成
 ハウスの天井部分及び側面を張って完成です。 今回張って貰ったのはビニールではなく、POフィルムといういうものでした。
 通常?のビニールは耐3年とのことですが、POフィルムは5年持つと言われました←厚みも関係するでしょうが。

 写真は日中撮ったのにうっすらと中が曇っているように見えます、実は農POフィルムはすりガラスのようで透明性が低いのです。 「これじゃ日光が十分入らないんじゃないの」と心配したら、透明性と光透過率は関係が無く、光透過率は農ビと変わらないそうです…安心しました。 








9.補強
・天井部分
 パイプハウスを建ててしばらく経った後、自分で天井部分の補強をしてみました。 パイプハウスの天井部分は通常パイプがアーチ状になっているだけです。 フィルム張替えや破けた箇所の穴ふさぎ等などの際天井に上がった際、パイプがゆがむので変形するのではないかと気になりました。 また積雪や強風で潰されることも聞くので、補強をすることにした訳です。 あちこちのパイプハウスを見てまわっても参考になるものがならず、結局自分で考えました。 その結果が写真です、材料代は約一万円程かかりました。 補強効果の程は不明ですが少々自己満足したりして。











・入口側及び後面
 パイプはアーチ型になっていてその内側に太い補強パイプもありますから、横風には強いはずです。 また上の写真で天井部分に補強もしましたので、積雪の重みや人が上がっても大丈夫になったと思います。 強風吹き荒れる時なかに入ってハウスの揺れを見ていたら、前後面(入口側及び後面)が風圧で押されてしなうのでした。 もっと強い風が吹いたらゆがんでしまうのではないかと心配になりました。 どんな補強にしたら良いか考えた挙句写真のようにしてみました(入口側も同様です)。 もっと補強パイプを設置したいところですが、ぶつからず邪魔にならないよう最小限にしました。 












10.フィルム種類による張り方
 パイプハウスを外側から見ると屋根部分のフィルムをバンドで押さえてあるもの(左の写真)/押さえていないもの(右の写真)が見受けられます。 それでバンドで押さえていないものは風でバタつかないものかと気になったりしていました。

 パイプハウスを作って分かったのですが、農POフィルムは右写真のようにスプリングで留めるのです。 左写真のようにバンドを使用して留めるのは農ビニールフィルムのようでした。 ま、どちらも天井部分をアーチパイプに密着させるので風でバタつくことはありません。










11.ハウス内の散水















 パイプハウス内には雨が降りこまないので土はカラカラに乾燥します、したがってハウス内の野菜作りはマメに水やりが大切となります。 きゅうりやトマト等を作るのに最初ジョーロで散水していたのですが、次第に面倒くさくなってしまいました。 そこで何か良い方法は無いものかと思案し作ったのがこれ。 “風呂の残り湯をタンクに溜めて、塩ビパイプを伝って落差流水で散水する”というものです。 風呂ポンプを使用しますが、汲み上げる都度窓を開け外にある立上り配管に接続します。



 茶の間の外側に設置したローリータンクです(容量は300リットル)。 当初は雨樋からの雨水も溜めるよう考えていたのですが、風呂の残り湯だけで十分溜まることが分かり雨樋接続は無しにしました。 ここからパイプハウスへは地中の塩ビ配管を伝っていきます。















 ローリータンクとハウスの地面は約1.5m程の落差があります。 ハウス内には5本の畦がありますが、落差流水の勢いからすると同時には2本の畦が限度です。 とにかくこれでいちいちジョーロで散水する手間から解放されるので助かります。














12.換気窓の取付け
・取付け位置

 パイプハウスの入口と反対の奥側は写真のようになっているので、日中の暑い時は両サイドの窓を開けても天井部分の熱気は外に逃げません。 特に夏場だとハウス内の暑さはかなりのもので、熱気がよどんでいると野菜もしおれてしまいます。
 そこで、この面に換気窓を設置することにしました。

 ここに設置する換気窓の値段は1万数千円もするので、なんとか工夫して自分で安く作れないものかとあれこれ考えてみました。 しかし窓用の部品は単品で売っていないし、ハウス用パーツを組み合わせても作れそうにありません。
 で自作するのは諦めて購入しました。 商品名は「ツマソーV」(東都興業株式会社製)、1万5千円です。 何故ツマソーというのかと思ったら、この面をツマ面(妻面)と言っていて、そこから来ているのでした。 調べてみたら妻面とは、住宅で切妻屋根や入母屋屋根の下側に壁面が三角になっている部分のことと分かりました。





・取付け前の準備
 取付ける個所のビニールを外します。 パイプハウスを作る時に最初から設置すれば良かったのですが、後から取付けるのは手間がかかります。 またツマソーVを設置した後でビニールに余裕があるか気になります。
 横に這わせてある金板(ビニレール)で最上部の一本を外します←ここに取付ける為。














・取付け
 取付けるには金具が4個必要です。 これは同梱されていず、予め購入しておいた金具では合わないことがわかり、慌てて買いに行きました。
 設置にあたっては水平器を使用して位置決めしました。 水平を測り金具で固定するのですが、一人で手こずりました。 誰かにツマソーVを押さえてて貰うと作業は楽です。
 外しておいた金板(ビニレール)も、切り詰めて設置しました。 これは強度面から考えて設置して良かったと思います。











・仕上げ

 外しておいたビニールを被せます。 まずビニールを被せてパイプハウスの外周側をスプリングで元通りに留めます。 その後ツマソーVに付属されているスプリングを写真のように留めるのですがビニールがかなり突っ張ってしまい、無理するとスプリングで破ける所もあります。 一旦ビニールを張った後での、このようなパーツ取付けはビニールが突っ張るなど若干無理があるようです。













・使用状態
 ツマソーVの開閉は紐を引いて操作します、なお開度は3段階となっています。 これでハウス上部にこもる熱気をスムーズに換気出来るようになりました。
 写真のように窓を開けておいたら、スズメが入りこんで来るようになりました。 出るのに苦労しているようですが、あちこちぶつかりながらそのうち抜け出します。
 かわいそうなので、ハウス内にスズメがいるのに気付かずに窓を閉め切ることの無いよう気をつけようと思います。











13.電灯設置
・使用部材
 ハウス内に灯りが点いていると外が暗い時でも作業出来ますので、日が短い秋の夕方や夜間の作業に重宝すると思います。 そこでパイプハウス内に電灯を設置することにしました。
 電灯の点いているハウスを見せて貰った事が無いので、配線施工などをどのようにすれば良いか分からないのですが、見栄えを気にしなければどのような方法でも良いだろうと思います。

 使用した部材は写真にあるものと、他に配線を地中で通すためのフレキシブル配管(PF管)などです。 なお写真中央にあるのは防滴スイッチで、右側にある2個は電球型蛍光灯を取付ける器具です。










・配線敷設
 まずコンセントのある電源場所からハウス内までPF管を通します。 ハウスは庭先近くにあるのですが、幸いなことにハウスの近くにコンセントがあるので配管距離も短くて済みました。
 配管ルートをスコップで軽く掘りPF管を這わせてハウス内に入れ、その後PF配管に電線ケーブルを通しました。 このあとハウスの側面〜天井と這わせて行き電球器具も取り付けます。













・スイッチの場所
 明かりのスイッチがハウスにあると、暗い中を手探りなり懐中電灯を点けてそこまで行かなければなりません。 そこで電灯のスイッチをハウスの手前に設置しました。 こうすることによりハウスから漏れる明かりによってハウスまで暗さの不自由無く歩けます。
 なお写真の防滴スイッチ以外のパーツは自宅にある金物不用品を利用しました。














・仕上がり
 奥行き9mのハウスに2個の電球を付けてみました。 明るさは十分に思えましたが、実の有る野菜(きゅうり・トマト等)を収穫しようとすると、明かりが葉で陰が出来ほとんど見つけられないのでした。
 葉の陰が出来ないようにするには明かりを天井両側に設置する必要がありそうです。
 葉物野菜の収穫や水やりなどの作業には支障ない明るさなので、とりあえずこれで様子を見ることにしました。











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