農作業

1.老いて土に親しむ
 子供の頃はよく母親に反発したものです、「なんで母ちゃんは農家になんか嫁いだんだ」と八つ当たりもして。とにかく農作業が大嫌いでした、稲作でいうと田植え/草取り/稲刈り/脱穀などとほとんどが手作業で学校休みに手伝わされ嫌々やっていたものです。

 それが不思議なもので今は農作業が苦にならないのです、機械化により作業が楽になった事もありますが、作物を作る事と労働そのものに面白さを感じるようになって来たのです。

2.兼業農家
 私の家はいわゆる兼業農家、会社勤めしながら稲作をやっています。 面積は3反半(1050坪=約35アール)で農家と言うには極少です…昔は6反歩程ありましたが、道路にかかったり減反で半減しました。

 作柄はコシヒカリで収量は1反当り例年約8俵といったところでしょうか。 田植え・稲刈りは機械で行います、5月の田植えが済んだら9月〜10月の稲刈りまでは水管理と追肥が主です←これなら鼻歌まじりの楽勝で・す・が。

 ところが近年は近所の農家…2町歩(1反の20倍)程の面積有り…の手伝いをしています、どの農家も高齢化で作業負担が重荷になってきています。 手伝いで一番負担なのが草刈り、何故かと言うとここ周辺の田んぼは平地でなく起伏に富んでいる(土手が高い!)のです。 したがって雑草の伸びる5月〜9月はしょっちゅう草刈に追われます。 平地の田んぼに比べて労力がかかる土地です。

3.揚水組合
 ここ周辺の田んぼは高台にありどこからも水は流れて来ません、どうして稲作が出来るのかというと今から40年程前に親世代の人達が揚水組合を作りここ周辺を稲作地帯に変えたのです。

 時はあたかも米増産時代だった訳ですが、皆がまとまってよくやったと感心します(揚水ポンプ小屋設置、延々と揚水管の埋設及び各家田んぼへ導水管配置等と)。 水=稲作に必要な水は雨水のごとくタダと思ったら大間違い、水を使うには水利権?があってお金がかかります。

 ここの地区は安積疎水費の他に揚水組合費がかかるので他より割高な稲作になっています。ただでさえお金がかかるのに、モーターの故障とか操作ミス(バルブを開けずにスイッチONで揚水管を破裂させるとか)で補修費もかかります。

 米の増産時代は良かったのですが、時は過ぎて今は減産指導と更に跡継ぎ無しの高齢化時代。 続け切れなくなった農家が一軒二軒と抜け始め、残った農家へ揚水組合の負担が重くのしかかります。 なんとか継ないで行きたいのですが、行く先暗い状況です。

4.力農
 昔の農作業を端的にたとえたこの言葉を思うと、体を酷使し身を削って働いた先達への畏敬の念にかられます。 稲作には水が重要で田起しから田植えそして穂の登熟期まで、争って寝ずの番をしたり時には喧嘩もして奪い合う事もあったように聞いています。 現代では“稲作の水争い”といった話しは聞こえてきませんが、それには堀(疎水)の整備があると思うのです。 どういうことかというとU字溝の無かった昔は、土に溝を切った堀なので高さもそんなに無く崩れ埋まりやすかったはずです。 ですから流れる水量が十分無い為、水確保の争いが多かったと思います…今は疎水も整備されて楽になりました。

 農業の機械化、これが無かったら会社勤めしながらの片手間農作業はできません。 農業機械があるから、田んぼが何町歩あっても兼業農家として可能なのです。 

 農薬…これも農作業の省力化手助けとなっています。 例えば除草剤の無い昔の田の草取りは、田車もやりましたが主には手を熊手のようにして田の中をかき回していました、やっても後からすぐ雑草が生えてくるし辛い作業でした。腰を曲げた姿勢での長時間作業、農家で腰の曲がった老人はいわば職業病みたいなものです。

5.土手の修復
 2002年7月の台風6号により我が家前の田んぼ土手が崩れました。 猛烈な降雨とそれによる大量の水が田んぼに流こみふち(クロと言ってますが)から溢れ出して、一晩流れ続けた結果土手がえぐられてしまいました。

 親から「お前がちゃんと見てないからだ!」と怒られました。 機械(バックホー)を頼んで修復するなら数十万円かかるし大損だと言われ、悔しいので「これ位自分で直してやる!」と大見得を言ってしまいました。

 で、言った手前始まりましたスコップ片手の土手修復、スコップ一すくいの土の量は僅かですが気長に一すくいづつ。 一日でやれるのは朝の出勤前1時間程、降雨・降雪があると乾くまで数日間は出来ません。

 そうするとやれる時ってのはホントに少なくて、それでも1年2年と続けてくると結構修復出来てきました。 こんなに時間をかけて出来るのは土手下が休耕田のせいもあります。

左の写真は罹災?から4年が過ぎた2006年11月現在の修復状況です、スコップ一すくいの量は極小でも積もり積もってここまで来ました。 土を盛って足で踏み固めたり槌みたいなので固めただけでもとりあえずこの間の雨に耐えています。手前の木は桐の木でここ4年の間に芽が出て伸びたものです。


6.おいしいご飯の条件

 おいしい米としては新潟県魚沼産コシヒカリが長年有名ですが、近年は他の地域からも沢山名が上がって来ています。 私は特別おいしい米作りを追求している訳では無いので、栽培方法以外で「おいしいご飯」になるには何が左右するのか考えてみました。

 まず何といっても第1番目は自然の気象条件=日照時間です、どんなに手塩にかけても日照時間が少ないとおいしい米にはなりません(1993年平成5年の冷害時は新米の香りはしなくておいしくなかったです)←特に重要なのは出穂時期の天候。 次は新米を食べる事でしょうか、新米の香りと味は作物の旬ならではの美味さです(もちろん一年を通して新米を食べ続けるなんて出来ません)。 収穫直後はおいしく日数経過と共に風味は落ちていく…これはどんな銘柄米でも同じことです。

 また炊きたてを食べる事です、長時間保温ジャーに入っていては風味が落ちます。 次はこだわりの問題かもしれませんが…収穫時の自然乾燥(天日乾し)はおいしいと言われますが、私は機械乾燥(温風乾燥)で問題無いと思います。 乾してある籾藁が秋の長雨で腐っては素も子もありません。 米の保管についてですが、冷温貯蔵庫なら米の品質が劣化しないと言われますので年間消費量分を保管して置くならそれも良いでしょう。

 炊飯方法にも左右されるかもしれません、我が家でIHジャーが壊れた為、五合炊きで5千円程の炊飯器を購入したら炊き上がりがイマイチの感じでした。 炊飯時にハチミツを加えると美味しく炊き上がるとも聞いています。

 有名な銘柄米を高い値段で一年購入し続けるよりも、標準米?で良いから炊き方を工夫して炊き上がりを食す…これで十分美味しくいただけると思います。

7.自家販売の米価
 私は収穫米を自家消費分のみ残し、後はJAに供出せず欲しい人に直接販売します。販売価格はその年のJA納入価格に合わせていていますが、ここ数年は玄米一俵(60kg)=15,000円です。 通常の30kg用米袋では7,500円、10kg単位なら2,500円になります(米輸入自由化が進むと、将来的には30kg単位5,000円も想定しなくてはならないとも聞かれます)。

 参考までに:近所の農家では「苦労して作っているのだから安売りはしない」と30kg=8,000円の値で売ります。 他には県内山間地の方では昨年が日照不足だった為か、5〜6千円前後で売っているとかも聞きますが、逆に無農薬栽培の高値もあります。

8.草刈り
 刈払機を初めて手にしたのは20歳ころでした、親父が購入したものを面白がって使ってみたのです。 その時サンダル履きでやったのを覚えていますが…そしたら親父が叫んで「こらっ危ねえぞ!」と。

 私の頭の中では機械性善説?があり、『危険な機械が販売されている訳が無い、怪我するのは使い方が悪いからだ』と思っていました。 そんな思い込みでサンダル履き・メガネ無し等で作業したのです。

 刈払機による事故(自分の足指を切断した・飛びはねた刈刃のチップで失明した等)を聞くにつれ安全を考えるようになり、 今はちゃんと靴を履き(斜面作業時は滑り止め金具も付けたりします)、メガネをかけさらに耳栓←難聴対策 もしています。

 草刈り…草が伸びる5月頃から9月末までは、ほぼ毎日のように草刈に追われます。早朝の出勤前1時間と夕方帰宅後の30分〜1時間、疲れが溜まり週の後半になると仕事中(勤務中)にクラッときて全身だる〜くなったりします。

 とにかくこの辺は土手の面積が田んぼより大きいかなと思う位あります。 自分うちの草刈り・近所農家の草刈手伝いと平行して、県道の法面や線路(JR線)沿いの土手も刈ります。 それってアナタの土地?と思うでしょう、もちろん違います…ですが草ぼうぼうの状態を見ると気になってつい手を出してしまいます。

 親から「余計な事するな、草刈ったおかげで道路が雨の時崩れたらどうするんだ」等と言われた事もあります…がしかし、今までの雨で崩れた事はありません。常に草刈りしてるもんだから「草刈ボーイ」のあだ名をつけられました。

9.刈払機について
 私が自ら積極的に農作業をやるようになったこの20年で8台を購入しました、年数の割りに台数が多いかもしれません。 故障による不稼動率を考慮して2台を平行使用しております。 実は昨年だけで2台も壊してしまい(2台共メインパイプ折損)、
 ←メインパイプ折損の様子(機種はラーニー(Ranee)こと富士ロビン製BR200H)、2003年8月購入〜2006年8月間使用。この間の故障はハンドルパイプ2回折損と今回のメインパイプ折損。



ちゃんとした一流品(どのメーカが一流かの基準は?ですが)なら良品で長持ちするかなと思い小松ゼノア製を購入したら、ナント5万円弱でタッ高〜ッ!つい腹が立ちました。あまりにも高額でもったいないので作業が刈払機をいたわるようにおとなしくなってしまいました。

 これでは仕事がはかどらす通常作業というかラフに扱えるようにと、すぐ安物(1.7万円程…値段が安いというだけで機械が粗悪という意味ではありません)も購入しました。

 30年程前の刈払機は平地の作業だとOKですが、傾斜地での草刈りですとガソリンが供給されない感じでした。 でも今のはエンジンが回っている状態で機体を傾斜させてみるとどの姿勢でも…つまりシリンダーに対してキャプレターが上でも下でもエンストしないように改良されています。

 刈払機をハンドル(手で握るグリップ)の形式で言うと3パターン(両手ハンドル式、ループハンドル式、2グリップ式)がありますが、私は両手ハンドル式を購入しています…他の形式は使った事無いので使いやすいか否かは分かりません。

10.価格と性能
 刈払機の値段(店頭販売価格)は見るところ1.5万円程から5万円超まであります。 値段差はメーカー及びエンジン排気量等により違います。 ホームセンターには2万円以下の安い機種も多数取り揃えてあります。

 値段が高い程高性能・高品質=高出力/排気音が静か/軽量化である/振動が少ない/耐久性が良い等とイメージしがちですが、それ程の差は無いように思います(あくまでも私の感想)。

 刈払機に求める性能は草に負けないパワー(トルク)/機械の軽量性/排気音の静粛性/ハンドルグリップに伝わる振動の低減性あたりです。

 しかしチャンバー(サイレンサー)はどの機種も同じような形状で、極端に静かな機種はありません。 振動の点では刈刃のチップが欠けると回転アンバランスで振動がハンドルへ伝わってしまいます。 重量的には排気量が大きいと重くなります。

 刈払機の最小排気量は20ccですが、これだと生い茂った雑草や立ち木に対して回転する刈刃が力負けして回転数が下がってしまい刈ることが出来ません(背丈が低くやわらかい雑草を刈るならこれで十分ですが)。

 ですのでもうちょいトルクのある23cc程の機種なら扱いやすいです、かつ重量の軽いもの(3.9〜4.2kg位)にすれば作業時の疲労も少なくて済みますのでオススメです。

11.刈払機のセッティング
 今までのは購入した状態ほぼそのままで使用していました、強いて調節するなら刈刃カバー(飛散防護カバー)位です。刈刃とカバーの間に草がつまりやすいので隙間を大きくする訳です、安全性上問題があるかもしれませんがコレで怪我をした事はありません。



一度肩掛バンド取付け位置を変えてみた事がありました。 バンド取付け位置で刈払い機を持ち上げてみますと、バランスが取れず刈刃の方が重くて下がります。

 そこで両側のバランスが取れるようにしてみたらどうなんだろうと考えました、草刈りの時刈刃を左右に振り回すストロークが短かければくもっと早く刈り進めるかもしれないと。 結果は失敗!後ろに重たい振り子を付けているようで、やりずらいのなんのってすぐ戻しました。
今回はBIGMこと丸山製作所製のTK23(23cc 4.2kg)を購入したのですが…購入時の初期セッティングでこんなに違和感があるのは初めてです。

 刈払機を作業状態で持ってみると両手ハンドルが手前すぎて窮屈・肩掛バンド取付位置がエンジン側過ぎる為刈刃が遠く感じ左右に振りずらいなど。 さっそく自分好みに調節しました。
 

12.作業時間の問題
 刈払いは立ち作業ですが特に力仕事でも無いし長時間出来そうな気がしますが、やってみると結構疲れます。

 作業時間について刈払い機の取扱説明書には次のように記載されています“疲労により事故の原因となるため作業30分〜40分毎に休憩を取り、1日の作業は2時間以内、1週の作業日数は5日以内、連続3日を限度とする…”旨。 読んで「そんな事守っていたら仕事にならない」と思ってしまいます。

 しかしこれも一理あるなと思いました、それは振動病の心配です。 振動病=チェーンソーを使うきこりに手指の血行障害が起き手指が白く冷たくなることから白蝋病と聞いた事があります。

 郵便配達人でも発症して職業病に認定されたニュースがあったように記憶していますが、要するに振動を伴う機械を使用する人に発症する病気です。 寒くなって来ると…冷気にさらされると私の指先は真っ白になります、こうなると揉んだりポケットに手を入れる位ではなかなか治まりません。

 休日はオートバイで遊びまくり冬以外は連日のように草刈りを行う私にとって振動病は切実な問題なので、このような面でも長時間の連続作業は良くないと思う次第です(もちろん防振手袋等の着用はいうまでもありませんが)。

13.刈払いの労賃
 他から頼まれて手伝ったりもしますが、いただくならば刈払いの労賃はいくら位が妥当かなと考えてみました。 単純計算で8時間労働/日当一万円とすると一時間あたり1,250円です、でも刈払い作業は上記事情等により一日8時間作業はとても出来ません。

 一日5時間程作業した事ありましたがこの場合は一時間2,000円になり、一般的なパート労働賃金に比較してかなり高くなります。 機械とガソリンが自分持ち・刈刃も消耗品であることを考慮して一時間1,500円位かと思ったりしてみましたがどんなものでしょう。

14.刈払機の故障
  笹竹や潅木なども力まかせに刈る無茶をするからハンドル折損やメインパイプ折損(理由は金属疲労)に何度もあっています。 あと故障と言うより消耗品かもしれませんが刈刃のチップ飛びや刈刃押さえキャップ磨耗もあります。
 刈払機のエンジンは実にシンプルで、始動しない時はプラグ清掃若しくは交換でほぼOKです(まれにキャブレター及びエアークリーナーの清掃が必要な場合もあるかもしれませんが)。

 それが自分ではどうにも原因が分からない故障に会いました。 機種は小松ゼノア製BC2300で、ガソリン切れの症状でエンジンが止まりやすくなったのです。 詳しく言うとガソリンが満タンに入っているうちは良いのですが、20〜30分ほど経過してガソリンが半分近くになるとガソリンが供給されずエンジンが止まるのです。

 止まりそうな時チョークを引くとエンジン回転音が上がるので燃料供給に問題があると思い色々やってみました、キャブレターの分解清掃・燃料フィルター交換・燃料タンクのキャップ交換・プラグ清掃等。 自分ではお手上げになり町内の農機具店へ修理を頼んだら、「キャブレター交換」で帰って来ました。

 そんなバカなと思いながら使用すると、直ったような感じでしたが何度か使用するうちにまた症状が出たじゃありませんが。 まったく「お金返せ〜!」です、修理代9千円程も払って直ってないんですから。 その農機具店は信用出来ないと思いそれ以後足が遠のきました。

 その後も自分で何度もアレコレと点検(キャブレター分解を主に)し不便を感じつつ使用しておりましたが、これが最後と思い市内のある農機具店にダメもとで頼んで見ました。持参して見てもらうと即座に「プラグが違いますねえ」ですって!…え?だってエンジンは難なく始動するんですよ、と思いながら一応預けて帰宅。

 すると帰宅と同時くらいに「直りました」との電話に即お店へ戻りました。 なんでも不調原因はプラグ(熱価は同じでも指定は先端が突き出ているタイプとの事)とキャブレター内のダイヤフラム交換(へたっていたらしい)との事。

 感謝申し上げ修理代金7千円弱を支払い帰宅してさっそく試運転、完全に直っていました。 その店の整備技術には敬服ものです。 後日談…残念ながらその直った刈払機はまもなくしてメインパイプ折損であの世行き、長年苦しんでやっと直ったと思ったのに、可愛そうな小松ゼノア君でした。

15.刈払機による怪我
 上記8項で「刈払機による事故」として少し述べましたが、ここであらためて起こる怪我と危険性について述べてみたいと思います。

 死亡事故:刈払い作業を複数人の共同で行なっている時に、作業しているすぐ脇を通り過ぎようとして振り回す刃が当たり出血多量で死亡との記事を新聞で読んだことがあります。 作業している人に近づくのはもっての他です。 学校PTAの奉仕作業での草刈りや町内会の清掃作業での草刈り等でヒヤヒヤ感じる事が何度もあります、かがんで草取りをしているすぐ脇で刈払機を操作する人がいるのです。 事故が起きてからでは遅いのですから、作業前に注意喚起を声を大にして話して欲しいものです。

 足等への怪我:足元で円盤状の刃が高速回転するので不安定な体勢では作業すべきではないのですが、平地ばかりではありません。 急な土手・雨による滑りやすい路面等で体勢が崩れ自分の足に刃が当たり、指先の切断や足の大怪我等は何度も聞いています。 踏ん張って作業していても刃が木の幹等に当たりキックバックしたり、回転刃が田んぼの水面に当たりはじかれたりもします。

 失明など:回転刃に当たって飛び散るものには笹竹や小石等・捨てられている空缶もあれば、空瓶が割れてのガラス片もあります。 また刃先のチップが欠けて飛んだりと、顔…とくに目には注意が必要なので眼鏡は必須です。

 悲惨な事故:刈払いの作業で旦那さんが近くにいた奥様の腕を切り落とした・呼ぶ声に振り向き刈払機の回転刃で相手の顔面を切りつけた等々枚挙にいとまがありません。
 危険性を考えればば恐ろしくなりますが、だからといって刈払機を使用しない訳にはいきません。 作業機械はなんでも危険を伴うものであるから、危険をわきまえた上で安全策を考え注意して作業すべきなのです。

16.チップソーの研ぎ方
 新品チップソー(刈払刃)の場合、約2週間(28時間作業)使用で刃の先端部分“チップ”を研ぐようにしています。 刃の先端にはチップといって尖った硬い金属が埋め込まれていますが、この硬いチップでも草との摩擦や石にぶつかって角が丸くなり切れにくくなります。

 チップソー研磨機というものが売っておりますが、私は父親が自作した作業台を使っています。 その作業台とは角材(安定するようにある程度太い角材が良いです=12mmの角材あたりでも)に鉄製リングを埋め込んだもの。 研磨はディスクグラインダーに砥石板をセットして使用します。 指で一コマづつ送りながらチップを研ぎます。 平均3〜4回研いで使用します(研ぐ度に先端が小さくなりますが)。